【本のグラレコ】NEVER LOST AGAIN グーグルマップ誕生
久々に胸が熱くなる本を読みました。
会社のミーティングの話の流れで、 「グーグルは、グーグルマップが今みたいに使われることを想定して作ったんだろうか」 みたいな話をしました。 そのときは答えが出ずだったのですが、数日後に「NEVER LOST AGAIN グーグルマップ誕生」という本を書店で見かけ、「これだ!」と思い即買い。読んでみました。 グラレコ はこんな感じ。
※本の内容がハウツーではなく、今までに起こった事実だったので、「プロダクトが広まる要因は?」の観点でグラレコ をまとめています。
※Apple Pencilデビューしました。それに伴いカラー化しましたw
感想
内容はグーグルマップが誕生するまでの歩みとか、エピソードとかを綴っていったもの。「SHOE DOG」*1とかを楽しんで読める人ならこれも楽しく読めるはず。
個人的な見所を書いていきます。
なんの役に立つの?
どうやって役に立てるのかよくわからないところから始まったものが、今や生活に欠かせないプロダクトになっている。
この本を読んで、久し振りに「Google Earth」を開いてみました。地球儀をくるくる回したり、ランダムな地域に飛んでみたりするのは楽しいですが、やはり生活の役に立つものではない笑
でもそんなGoogle Earthが災害救助に役立ったり、ニュースで取り上げられてバズったりするようなエピソードもあり、何が起こるかわからないプロダクトの難しさを垣間見た気がします。
もちろん、ネガティブな話もいっぱいあって、経営難に陥ったり、訴訟問題が勃発したりするエピソードも。そんな状況下でもプロダクトを続けてこれたのは、ジョン・ハンケ氏のプロダクト愛が大きかったんじゃないかなと思います。
組織内でのいざこざ
グーグルマップは、Google Earthから派生したプロダクトで、そのGoogle Earthは元々キーホールという会社のKeyhole Earth Viewerを買収したものです。つまり、本の購入の動機となった疑問「グーグルは、グーグルマップが今みたいに使われることを想定して作ったんだろうか」の答えは、 「そもそもグーグルが作ったものではなかった」 ということになります。
グーグルに買収されたキーホールはグーグル社員として働くわけですが、グーグルに元からいた社員と意見がぶつかったり、グーグルマップのトップをどちらの社員が担当するのかなど、いざこざが起こります。
私も、入社した時の会社が親会社に吸収合併された経験があるので、こういういざこざには妙に共感してしまうところがありました。
ラリーとセルゲイのスケール感
ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンのクレイジーなスケールの大きな発言も見ものです。
グーグルに買収された直後、ビル(この本の著者)がプロダクトの目標について以下の質問をします。
「ラリー、セルゲイ、1000万ドルか1000万ユーザー、どちらを望みますか?」
これは、ビルにとっては盛りに盛った目標値でした。 ところが返ってきた返答は、
「君たちは、それよりもっと物事を大きく考えた方がいい」
でした。
「もっと大きくってどんだけ大きい値なんだよ!」と言いたくなるところですが、そういうことではなかったようで。
グーグルが求めていたものは、ユーザーの為になるプロダクトを作ること。売り上げとかユーザー数とかにはあんまり興味がなかったんです。 その代わり、いいプロダクトを作る為には金と努力を惜しみません。地図データは節約なんかせず丸ごと買い上げちゃうし、必要な技術がある時は躊躇なく会社を買っちゃうし、地図データ作成を内製化するためには大量のオペレータを雇ってひたすら地図データのクレンジングをする。
スケールが違いすぎる笑
金の使い方はマネできないですが、ユーザーのことを最優先に考えるという姿勢は学ぶものがありました。
ジョンとビルのその後
ジョンとビルは、最終的にグーグルマップのプロジェクトを去り、新しいプロダクトを作ります。そのプロダクトとは…
はい!ここまで!
気になる方は本を読んでみてください。ITプロダクトを作っている人なら読んで損はないはず。オススメの本です!
*1:まだ最初しか読んでないなぁ