問いのデザイン 創造的対話のファシリテーション
この記事はDevLOVE Advent Calendar 2020の8日目の記事です。
何かをファシリテートする立場の人にはぜひ読んでもらいたい一冊。
この本の良いところはやり方にも理論にも偏っていないところ。ファシリテーションの書籍と聞くと、フレームワークをたくさん紹介するようなやり方に寄ったものや、事例ベースの理論に寄ったものは読んだことがありますが、どちらもそのまま実践に移すのは難しいと感じています。前者はどこの場面で何を使うべきなのかというのがわからないと適切に使えない(下手したら逆効果になる)し、後者は状況に合わせて具体的な手順をアレンジする必要があるからです。
「問いのデザイン」は、やり方と理論がバランスよく書かれています。筆者の経験を元にした理論が展開された上で、それをどういう方針でデザインするのかというのが順序立てて紹介されます。以下は「はじめに」からの抜粋となります。
しかしながら、これまでのワークショップ関連書籍では、「問いのデザイン」に関して多くは語られてきませんでした。人間の思考、感情、コミュニケションに関わる複雑な領域であるため、「こうすればうまくいく」というノウハウが語りにくく、理論の体系化が困難であるためでしょう。確実に成果を出すための”鉄則”を提示できないことは、筆者らも変わりません。けれども、これまでの研究成果と実戦経験に基づいて、「うまくいくために、このように考えたら良いのではないか」という思考の補助線をお伝えすることはできるはずです。
引用最後の「補助線」というのがまさにそれで、読み手が実践で応用しやすい具体/抽象のバランスとなっています。
どんな内容が書いてあるのかについては、目次を見ればわかるので敢えてここでは書きません。ただ、冒頭にも書いたとおり、何かをファシリテートする立場の人であれば読んで損はしないはずです。ぜひお読みください。