小~中規模の勉強会・カンファレンスの懇親会の準備(主に発注周り)
この記事はコミュニティ・カンファレンス運営 Advent Calendar 2019の18日目の記事です。
私はDevLOVEと匠塾という勉強会コミュニティで運営メンバーをやっています。ここ最近のイベントでは懇親会準備担当になることが多かったです。自分の経験の整理の意味も込めて、懇親会準備についてまとめてみました。なんもやったことがないけど急に懇親会担当になっちゃった!という方の助けになるための情報を載せていきます。
※なお、担当したのはここ数回のイベントです。プロ並にできるようになったというわけではありません。あしからず。
【懇親会を担当したイベント】
- 2018/12/13 匠塾 大LT大会 2018冬…参加者数30人前後
- 2019/6/13 匠塾 大LT大会 2019夏…参加者数20人前後
- 2019/6/22-23 DevLOVE X…参加者数200人前後
- 2019/12/12 匠塾 大LT大会 2019冬…参加者数30人前後
小~中規模の懇親会運営にありがちな悩み
小~中規模の懇親会運営をしていると、以下のような悩みが出てきます。それぞれに対して、私の考える対策を書いていきます。(大規模カンファレンスの懇親会運営は別の悩みがありそうです…)
発注に関する有識者がいない
小規模ゆえに、懇親会運営経験者が運営チーム内にいなかったりします。そうなると、以下のような問題が発生しがちです。
- 丁度いい量がわからない
- どこで購入すればいいのかわからない
- 予算が立てられない
- 意見を求めても適切なフィードバックが得られない
対策1
早めに見積もりを作る。注文用のサイトで、実際に注文するつもりのものをカートに入れて、注文内容と金額を仮で出してみる。モノと金額が出ればイメージしやすくなりますので、知見が浅くても意見出しやすくなります。
対策2
記録を取る。あくまで2回目以降にしか使えないワザですが、懇親会の発注内容と懇親会終了時の残っている食べ物、飲み物を写真に撮っておくことで、次回以降の発注の参考資料に使えます。こんな感じで↓↓↓
ちなみに↑は厳密には中締め時の写真なので、全体の締めのタイミングではもうちょっと減ってます(そっちは撮り忘れたという致命的なミス)
対策3
この記事を読む。お力になれればよろしいのですが^^;
ぼっちになりがち
小規模の場合、運営メンバーもそこまで多くはないです。 そうなると、懇親会に関しては一人で最初から最後までやり遂げなければならない状況になりがちです。 発注は一人でもできるんですけど、当日の受け取りとかも一人になると、他の運営タスクとの兼ね合いで無理が出てきたり…ということもでてきます。
対策
情報共有する。「XX時~XX時の間に〇〇社さんが△を運んできますよ」という情報を共有して、他の人でも最低限の対応ができるようにしておきましょう。とはいえ、懇親会担当の属人化は避けられないので、配送が到着する時間は極力別のタスクを入れないようにしてもらいましょう。
実際の参加者数が読めない
小規模イベントだと、当日キャンセルの発生が結構な痛手になります。特に参加費が当日支払いになっている場合。食べ物や飲み物が余る上に、お金も回収できない。場合によってはシビアな計算が求められます。
対策1
事前に参加意思調査を行う。懇親会への参加が任意のイベントであれば、事前に参加意思を聞いておくことで大幅なズレを回避することができます。
対策2
参加者数の悲観的な値も見積もっておく。申し込み人数の7割くらいの人数を悲観的な参加者数として見積もっておき、そのときの集金額、人数ベースで発注をかける。ちなみに有料イベントだと参加率は高くなる傾向にあるので、(コミュニティにもよりますが)私は7割で十分だと考えています。無料イベントだともっと下がって5割くらいで見積もっておいたほうがいいです。(無料イベントの場合は週金額には影響なさそうですが)
対策3
料金を前払い制にする。これができるならそれに越したことはないです。赤字の心配はありませんし、お金を事前に支払ったというだけで参加率は良くなります。
※当日キャンセル時の返金ポリシーについては明確にしておきましょうね!
懇親会運営のいいところ
悩みばっかり書いているとネガティブイメージでやる人がいなくなりそうなので、いいところも書いておきます。
好きなチョイスができる
懇親会担当だと割と好きなものを選んで買い足せます。 私の場合、ビールはサッポロ派なので、ビール業界4位だろうが1必ず注文しますし、ピザも自分が食べたい味のを選びます(もちろん予算&常識の範囲内ですが)。
懇親会が終わったときの達成感
もはや気持ちの問題ですが、懇親会が無事終了したときの達成感は他の人よりも断然あります。何十人、何百人という人たちが懇親会を通じて笑顔になり、つながっていく。自分が準備しなかったらこの懇親会はなかったのですから、達成感はありますよ。
大まかな流れ
【イベント3日前まで】
- 買うものを決める
- サイトなどで発注をかける
【イベント前日まで】
- 配送の時間を整理
- 受け取り人員などの調整
- 会場のレイアウトを決める
【イベント当日】
- 配送の受け取り
- 領収書の受け取り
- イベント会場への搬入
- イベント会場のセッティング
【当日または後日】
- 立て替えた金額の精算
買うもの
購入が必要なものについて、それぞれ何をどれくらい買うか、どうやって買うかと、それに対する注意点を書いていきます。
※量は、懇親会の時間が2時間前後の想定で書いてます
■飲み物
何をどれくらい買うか?
- ビール(350ml缶):人数の約2倍の本数
- サワー+ハイボール:(合わせて)人数の約1~1.5倍の本数
- ソフトドリンク(2L):最低3種類(水、ウーロン茶、ジュース)
注意点
- ビールの銘柄は可能な限りバラけて注文する
- 予算に応じてビールの本数を減らし、代わりに発泡酒やハイボールを増やす
- 意外と(?)ほろよいは人気
- 酒に関しては余ったら参加者に配って持ち帰ってもらえばいいので、ちょっと余るくらいの本数を注文するのが吉です
- ソフトドリンクは絶対余るのですが、最低3種類確保するようにしてください。お茶は男性の飲めない人用、ジュースは女性の飲めない人用、水は酔っ払った人のチェイサー用です。余ったら持ち帰るか会場に寄付してください。
どうやって買うか?
いつもカクヤスで注文しています。飲み物に関しては、品揃えや、冷やして配送などのサービス面を考えるとカクヤス一択だと思います。
注意点
カクヤスは「18時~19時」など、広めな配達時間設定しかできません。例えば平日19:30スタートの勉強会だと19:30に飲み物が到着していないのは困るので、「18時~19時」の枠で注文せざるを得なくなります。こうなると、最悪の場合18:00に配送されてしまうので、その時間には受け取れる人がいないといけないわけです。会場の人が受け取れないときもあるので、急いで移動する必要が出てきたりと、地味に不便。
■ピザ
何をどれくらい買うか?
- Lサイズピザ:人数の0.3〜0.8倍の枚数
- 大きめの惣菜がない場合は0.5倍以上
注意点
- 種類をバラけさせる。4種類くらいあると吉。
- ピザを少なくする場合は惣菜や乾き物を増やす
- ピザは持ち帰ったり保存ができないので頼みすぎると詰みます
どうやって買うか?
いつもドミノ・ピザで注文しています。(他のピザ屋と比べて安いと思っていたのですが、最近そうでもないかも?と思ってきました。) 配達は15分単位の指定ができて便利です。
注意点
- 注文時はクーポンを適用するのを忘れないようにしましょう。
- ドミノ・ピザの場合何故かクーポン発行アプリと注文用アプリが別になっている
- 受け渡し場所が懇親会会場以外の場合は受け取りに注意
- 配達員の方はピザがたくさん入る専用のかばんに入れて持って来るが、受け渡し後に持ち帰ってしまう
- 複数人でピザを受け取りに行かないと詰みます。
■惣菜
何をどれくらい買うか?
- オードブル:会場のサイズによりけりです
どうやって買うか?
DevLOVE Xのときは銀座萌黄亭に発注しました。前知識が少なかったので、ネットで色々調べてコスパが良さそうなところを選んだ気がします。
匠塾LT大会はドミノ・ピザのサイドメニューで済ませちゃいます。唐揚げとかサラダとかあります。5人テーブルにそれぞれ2種類1個ずつあれば十分でした。
■乾き物
何をどれくらい買うか?
- 柿ピー、カルパス、カントリーマアムなどの徳用セット:人数の0.5倍くらいの袋数
注意点
- 小分けできるものにしておくと、余っても配れるので楽
どうやって買うか?
飲み物と同じくカクヤスで注文しています。かなり豊富な種類が注文できますので、あえて他で注文して配送の数を増やすことはないです。受け取りが大変なので。
■備品類
何をどれくらい買うか?
- 割箸:人数の約1.5倍
- 紙皿:人数の約2倍
- 紙コップ:人数の約1倍
- ゴミ袋:すみません、私用意したことないです(後述)
- ウェットティッシュ:60枚くらいあれば十分
注意点
- 紙皿は個人用にも取り分け用にも使われるので、人数よりもかなり多めの数を用意する
どうやって買うか?
これもカクヤスに売ってるのでカクヤスで。あえて他で注文して(以下略
…と言いたいところなのですが、DevLOVE Xに関してはAmazonで注文しました。
なぜか
カクヤスの備品類は数が少ない+単価が高いです。匠塾LT大会の規模であれば問題ないのですが、人数が100を超えるようなイベントではコスパが悪いです。Amazonだと「割り箸200膳」等、業務用の大量セットが売ってますので安く済みます。 配送ですが、会場近くのコンビニなどを受け取り場所を指定しておくと自由な時間に受け取りに行けるのでおすすめです。取りに行く手間はありますが、いつ届くのかわからないという不安要素を一つ消すことができます。
落とし穴
よくある落とし穴について書きます。
配送の人はいつ来るの?
カクヤスのように配送の時間帯の幅が大きいと、いつ来るのかわからなく不安になります。事前に、建物に着く直前などのタイミングで電話をしてもらうように連絡しておきましょう。発注の入力フォームに備考欄があればそこに書いておけばOKですし、なければ発注後のメールに書いてあるお問い合わせ先にメールなりで連絡を入れておけば大体の場合は対応してもらえます。
その備品、大丈夫?
会場によっては、ゴミ袋など、会場備え付けの備品を使わないといけないことがあります。 買っても無駄になりますし、当日のオペレーションにも混乱を招きかねません。無駄なものは買わないで済むように、必要な備品に認識のズレがないか、事前に会場へ確認しておきましょう。
領収書はどこへいった?
領収書は、多くの場合は配達員の方が手渡しで渡してくれます。特に、当日の受け取りを他の人にお願いする場合、領収書をどうするかを予め認識合わせておいたほうがいいです。(一度、領収書がなくて会場中を走り回って探したことがあります。)当たり前だと思うかもですが、勉強会運営はバタバタしているのが常なので、気持ちに余裕があるうちに取り決めておきましょう。
立て替えできそう?
規模にもよりますが、中規模カンファレンスの懇親会では個人で一時的に建て替える額が数十万になることもザラにあります(DevLOVE Xのときは40万くらい立て替えてた記憶)。イベント当日は極力現金を持ち歩きたくないと思いますので、事前にカード決済しておきたいところ。ここで気になるのがカード残額です。個人的な買い物など別件で数十万使っていて、カードの残額が…という可能性もあります。立て替え能力に問題がないか、事前に確認しておきましょう。
おわりに
ふりかえりは以上となります。量については多少アバウトなところもありますが、お許しください。
DevLOVE Xにて、コミュニティマーケティングの第一人者である小島英揮さんにご登壇いただきました。その時の発表の中で、「ピザとビールで人を集めているうちは、コミュニティは成長しない」といったお話がありました。その日の懇親会に大量のビールとピザを用意していた私としてはギクリとした瞬間でした笑2。
懇親会について長々と書いてきましたが、積もるところ、懇親会はイベントの目的ではないということです。イベント参加者同士をつなぐ潤滑油的な役割を担うものだと考えています。無事に開催できて、参加者が交流できていればそれで大成功なわけです。どうしても動くお金の量が多くなってしまうので、大事に感じてしまいがちですが、準備さえ済ませてしまえば、あとは参加者がどうにかしてくれます。この場を作ったのは私だ。胸を張って、あとは懇親会を楽しみましょう。
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趣旨としては、イベントの客寄せのために無料でピザとビールを提供するような状況を想定した話し方だったので、有料イベントであるDevLOVE Xは直接は該当しません。↩